部屋に千亜と笹木だけ置いていくと、

「あら?みなさん、もうお揃いでしたのね」

「アイリスーッ…、よかった、無事だったんだー」

「…えぇ、まぁ…、あなたも無事でしたのね?」


いつもよりまじまじと見るアイリスをおかしく思った。

「…王子、あの…」

こそりと和泉の耳元に呟いたので、私の方には聞こえなかった。

「あぁ、…わかってる」

「なんだったの?」

「…気にすんな」


私が聞くと、くしゃりと頭を撫でて、眉間に皺を寄せて笑った。
取り敢えず、一難去ったのだろう…そう思った。
心がざわつくのは納まらなかったけれど。


―…

アイリスには言われた事を俺は頭の中で反芻した。

「…見失うことのないよう、お気をつけて…」



―…