ドヤ顔で、周りを見わたしてみる。

「あ……あれ……??」

皆があたしを見てる。

「う…わ、福田鈴じゃなくて、福木鈴だよね」

そんな、会話が聞こえて、あたしはハッとする。


ま……まさか……
                                        
 ・
福田 鈴(ふくだ すず)

 ・
福木 鈴(ふくき すず)




NO-------!!!!!


や、やばい……

つか、皆、細かすぎっ!

田と木って、あんまり変わらないでしょっ!

どっちも、自然なんだからっ!

「いや……かなり、変わるわよ」

「はっ…エスパー??」

「口に出してる」

う、嘘でしょ……

もしかしたら、あたし、今まで本読んでる時も、
独り言言ってたのかな?


こ、今度から、気をつけよー……

美優からの、突然の指摘に、ショックを受けるあたし。


でも、美優は、お構いなしに、

「はい、はい、散った、散った~」

そう言って、犬でも追い払うように、
シッシと手を動かしている。


その図太い神経恐るべし。

「早く、どっか行きなさいよ」

美優のその一言で、逃げるように教室からでる皆。

か……かわいそうに……

つか、美優怖っ!!

ま、モテる人は、それぐらい強くないと、
ナンパされた時とか、大変だもんね……

そんなことを、考えるあたしをみた美優。

「……たく、目、離せないじゃない」

「……え??」

「お~い、座れ~」

あたしの、声を遮るように、教室に先生が入ってきた。

「あ、やば、じゃね」

美優は、そう言い残して、自分の席に戻る。

今日も、長い一日が始まる……

あたしは、深いため息をついた。