あたしが、本気でそして全力で好きだった男の子。


彼の名は、岡本 光康。


幼稚園から、小学校までずっと同じクラスだった。

あれは、幼稚園の年少の時。


「転校してきたお友達がいます」


先生に言われて、皆で集まった。

先生の後ろについてくる、男の子。

それを見たあたしは、初めてこういう感情をもったんだ。


「かっこいい……」


その時のあたしは、まだ4歳。

恋とか、愛とか、そんな言葉なんか知らなかった。

でも、前に立っている男の子を見て、そう思ったの。

それから、あたし達は、仲良くなった。

幼稚園の先生から親に渡す通信に、


「真由ちゃんは、光康くんといつも追いかけっこをしています」


って、かかれたこともあった。

あたし達は一緒に、心も体も成長していったんだ。