眉間に皺を寄せた瞬間に…
真由が、振り向いた。
そして、一番聞きたくなかった言葉。
「理香ちゃんと婚約するんですね。おめでとうございます」
真由なら…
俺を、引き留めてくれるかもしれない。
婚約なんかするな。
そう言ってくれるかもしれない。
そんな、俺の期待は、
無残に崩れ去った。
「本気で言ってるんですか?」
探るように…
その、質問をする。
「本気です」
真由は、俺の目を見て、
ハッキリと言った。
「なんでー…「あたし達は、他人でしょう??」
なんでですか?
そう、言おうとしていた。
俺の言葉を遮り、真由は続ける。


