部屋にある、大きなデスクに親父が座っている。
「お父さん、用事はなんでしょうか?」
動揺を隠すために、俺は笑顔を作った。
たとえ、作り笑顔でも、気持が安らぐような気がする。
「あぁ…そこに座りなさい」
あいかわらず、険しい顔の親父。
座るように言われたので、俺は近くにあったソファへと、腰を下ろす。
「………」
「………」
沈黙が続く。
つか、なんなんだよ…
俺を呼びだしといて…
そう思っていると、
「光康……」
「はい」
親父がやっと口を開いた。
「一ヶ月後…」
聞いてはいけない。
そう、俺の五感が告げている。
嫌な予感がした…
「お前と、理香さんの婚約パーティーを行う」


