ー真由sideー


「食事会…か」


今は、午後7時。

もうそろそろ、食事会が始まるだろう。


「婚約…しちゃうのかなぁ…」


そう思うと、なぜか、胸の奥がチクチクと痛んだ。


自分から、別れを告げたくせに、


婚約なんかしてほしくない…


こんな風に思ってしまうあたしは、我儘だ。



いけない……

諦めるって、決めたんでしょ?


自分に言い聞かせてみる。


窓に近づいて、


部屋のカーテンを開ける。


満天の星空は、気味が悪いほどに輝いていて、


あたしに、何かを語りかけているように見えた。