「少し、様子を見よう」

「うん…」

ここから、光康と理香ちゃんのデート観察が始まった。

二人が座ったのは、あたし達のテーブルの三つ隣。

ちょうど、あっちからは死角になっていて、見えていないはず。


こうしてる間にも、二人の会話が聞こえてくる。

「何たのむ~!?」

「じゃ、僕は、アイスティーで」

「え~…ケーキ食べないのぉ!?」

光康は、昔から甘いものが苦手だ。

今も直ってないんだな…

そう思って、自然と笑みがこぼれた。

「お待たせしました」

「わ~いッ」

どうやら、ケーキが来たようだ。

「美味しい!!! 岡本君も一口あげるよ~」

「いえ…僕は…」

いけっ!!!
そのまま、断れ!!

「そんな、固いコトいわないで! ほら、あ~ん」

「う……」

どうやら、無理やり食べさせられたみたいですね…

つか…間接キスじゃん!!

理香ちゃんの企みがみえたような気がした。