結果、普段アルコール類をほとんど口にしない僕が、1人では絶対に来ないようなちょっとお洒落なバーで酒を浴びるほど呑んで、学生時代、興味本位で一度だけ口にして死ぬほど噎せ、それ以来もう二度と吸うもんかと心に誓ったはずのタバコを、咳き込むのもお構い無しにスパスパ吸ってる。



おまけに飲み過ぎで、きっちり締められたネクタイも、ピシッと皺1つなかったスーツも、掛けてたはずの黒ぶちメガネも、呂律も思考もグズグズのグダグダ。……あぁ、明日は間違いなく二日酔い決定だ。



ほんと、これもそれもなにもかもすべて、自らが招いた結果だってのに。



しかも、あの時こーしてれば良かった…とか、引き止めれば良かったかも…とか、グダグタ考えて。でも、引き止めたとこで結局同じだったんじゃねーか、とか考えて。でも、もしかしたら…なんて、同じことでグルグルグルグルして。



「……マジ情けねー」



カウンターに突っ伏した僕は、カタッと音を立ててズレ落ちたメガネもそのままに、もりもりになった灰皿をジーっと見つめた。