ココロの距離



そんなことより、あたしは珍しく真剣に穂希に頼みごとをしたんだ。


まだ小六で恋愛なんか良くわかってないと思って。

穂希なら普通に聞いてくれて、りっくんも軽く応えてくれて、あたしは情報が手に入る。

なんて思っていたから……りっくんに彼女いないか確かめてもらおうとしちゃった。


――ら、最近の小学生って恋までしちゃうものなのかね……。


「利久が気になるのか……」

「……へ……?」


それを言ってから、穂希はすたすたりっくんの元まで歩いて行き、唐突に聞いた。


「彼女いる?」


穂希唐突すぎ――!!!!!


ちなみにあたしが穂希に言ったのは、『りっくんに、好きな人いる?って聞いて来て?』だったはずなのに……。

彼女の話なんかしてないのに。

穂希の思考回路を見てみたいわ……。