……穂希と一緒に話されてたあたし。
特別な感情は、やっぱり生まれるはずがなかったの……。
「利久のこと、好きだったんでしょ?」
やっぱり、知ってたのね。
「……うん。身内を好きになるとか、ホント意味不明だよね」
「近いんだから、それはしょうがないと思う。難しい恋だとも思う」
ほしかったぬくもり。
優しさ。
今、この人があたしにくれてる、温かい気持ち...。
「零っ!」
私は声が聞こえていた方……零くんが座っているだろう右隣に抱き付いた。
「あたし、好きだったんだよずっと!」
優しく、背中をさすってくれた。
頭を撫でてくれた。
優しさをくれた。
あたしは、その胸の中で泣き続けた。