……しまった、まだ涙止まってない……。


再び布団にもぐりこんだ。


「やっぱりね」


零くんはため息をついて確かにそう言った。


「……や、やっぱり……?」

「やっぱり泣いてた。利久から状況を聞いてなんとなくそう考えてたけど……利久に彼女が出来てショックだったんでしょ?」


……見透かされてる……。


「俺、実はメールしながら羽織ちゃん家に向かって来てたんだ」

「どっちみち来ようとしてたの?」

「泣いてるなら家にいるんじゃないかと思ってね」


実際、その通り、はるまきになってました。


「家について、外からメールしてた」


あぁ、だから送信して五秒でチャイム鳴ったんだ。


「弟、可愛いね」

「穂希は無口無表情よ。……でも、スゴく優しい」

「そっか。穂希くんね……よく利久から話聴いてた。羽織ちゃんのことと一緒に」