ココロの距離



このとき、僕は悟った。


もしかして……穂希くんは、ちゃんとした友達に出逢いたい……?


桜の咲く春は出逢いの季節。

一緒に思い出をつくれる人を、ひっそりと探している……?と……。



「……ってか意咲くんよく桜と思い出と出逢いだけでそんなことわかったね」

「穂希は僕を試したらしいですよ?」

「試した?」

「周りにバカしかいないから、僕がましだと思って、話が通じるか試したらしいです」


……バカ言った……!!


「ってかあたしたちにすら通じないのに」

「軽く想像力と勘が必要なレベルの高い会話だよね」

「……ほとんど単語だからね」


僕は決意した。


『僕と一緒に思い出つくっていかない?』


ほとんど賭けだった。

でも、友達になりたかったんだ。