ココロの距離



――小学五年生 春


クラス替えしたばかりの教室。

その新しいメンバーの中に、河依穂希、君がいた。


「なんだか少女マンガっぽい始まりに聞こえるのはあたしだけ……?」

「ほら、まだ小学生でしょ?気にしないの」

「では続きを」


その頃の穂希は今よりほんの少し愛想が足りなかった。


「……ってか今でも十分愛想足りてないから!!」

「これ、ぶっちゃけ去年の話だよね?少ししか穂希が変わってないじゃん」

「まぁ、変わっても対応の仕方に困るけどね」


その時の僕は、ただ君を見ていることしかしなかった。

気にはなっていたけど……。


「「まぁ……気になるよね、そりゃ……((こんなに無愛想で無口な人。。。))」」