朝起きてリビングに出てみると、やっぱりあの女はいなかった 「……朝から男か」 女が出かける用事といえば男しかない 朝飯は……パンでいいか テーブルの上にはあの女が食べたのであろう朝飯の皿が乗っていた もちろん私の分などあるわけがない 私は少し急ぎ気味にパンを食べ、ランドセルを背負った 「いってきます……」 もちろん返事はない むしろ返事があったら怖い