瞬哉達はクリスマスにささやかな結婚式を挙げるんだと。


フジコちゃんは遠慮してたらしいけど、瞬哉が『一生に一度のことだから挙げさせてやりたい!』と押し切ったのだ。


あの二人も、明るい未来に向かってしっかりと歩みを進めている。




「……あたしもすごく幸せ」


不意に莉子は体を寄せてそう言ってきた。



「何もなかったあたしに、楓がいろんなものをくれたから。

夢とか希望とか愛とか…
欲しかったもの全部くれたの」



今の彼女の表情は、孤独に震えていたあの頃の面影は微塵も感じさせない。


明るく穏やかで、美しい輝きに満ちている。