眠り姫にはキスを。




確かにあの時、感触はあった。


だからと言って、その正体が進藤くんだとは限らない。


他の男かもしれない。


それはそれで、嫌だけど。




「あっ、上原さん!
こんなところにいた」




静かな図書館に、男の声が響いた。