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8歳頃の私だった。母さんがあの人に誘われて美術展示がやっている場所に来ていた。


全くと言って興味が無く、あの人が少し苦手だった事もあり、待合室のような所にいた。


その場所も飽きた所でフラりとさして広くない館内を彷徨い歩いていた。


だが、幼い私が興味を示すものは無く、一回りしたらまた元の待合室に戻ろうかな。と思っていた。そんな時、私と同じくらいの年齢の男の子が壁に消えていくのを見た。


正確には小さな発表ホールに。だ。


小さな歩幅でその入り口まで近づいた。


迷いは無かった。


直ぐ様私も続くようにホールに入り、そして聴いた。