箱庭ラビリンス



いや、それよりも彼がそんな事を言う必要性は何処にもない。むしろマイナスなんじゃないか。


「ち、違うの!それは……えっと……」


「別に弁解なんていいよ?俺が言われた訳でもないから」


「じ、じゃあ何でそんな言い方……」


「――大切な女の子だから。弁解なら望月さんにして?」


躊躇せず、むしろ即答に近く意味ありげな言葉を呟く。


だが、それが合図かのようにせり上がってくる胃のムカつき。


「っう……!」


『女の子』


気持ち悪い。キモチワルイ。


男に女の子と言われることが、女として扱われる事が――……。


――ガシャン!


床に筆記用具等をばら撒いて私は走り出していた。