箱庭ラビリンス



楽しそうで、笑顔で。


「おーくん、トマトどーぞ」


「あらあらぁ、駄目よ、サラダは一人一皿食べるように分けてるんだからぁ」


美味しくて。気が付けば一口一口噛み締めるように食べていて。


「みーちゃ、トマトへいっ」


「じゃあ代わりに私のを色葉にあげるね」


「私もあげるわねぇ」


「俺も」


「逆に増加……」


気が付けば、皆と一緒に笑っていて。


……知らなかった。食べる事が楽しい事。


時間を共有する事。


嬉しい事。忘れていたんだ。それらは、只の義務や作業なんかじゃない。


とてもとても温かい。温かい事なんだ。


「っ~~!」