箱庭ラビリンス



皆一様に此方に視線を向けてくる。


「確かに未来さん私よりも細いし小柄です」


「みーちゃ、もっと食べるべしー」


「そうそう。食べてねぇ」


「望月さん、少食でしょ?」


「え?え?」


どれに何と答えればいいか分からず、更に困惑する。だが答えれない私に気にせず皆、また話し出す。それにほっとしながらもまた耳を傾けていた。


「色葉!それ私のコロッケ!」


「ねーのだって名前なし」


「コロッケには名前は書けないわよぉ」


「まだコロッケなら一杯あるよ」


「違うんですよ!明らかに狙って横取りしたんです!」


「うまー」


「――……」


――とても賑やかな家族だ。