箱庭ラビリンス



彼の表情は言葉に匹敵するものだった。


困っただけであって、謝られるような問題ではないのだ。


「ちょっと抜けてる所があるから、望月さんの都合考えてないみたいで」


「う、ううん。都合は大丈夫……だけど、その、大したことじゃないのに、食卓に誘われるのが……」


「気が引ける?」


コクリと頷けば彼はクスッと笑った。


「気にしなくていいよ。絵美が勝手に言い出した事だから。嫌なら断っておくけど?」


と、選択を迫られる。


私は即答出来ずに考え込んでしまう。嫌な訳ではない。気にしなくてもいいと言われたが気にするものは気にしてしまう。


けど、でも、そうじゃなくて。もっと根本的な物で、きっと気持ちの問題なんだ。


自分の事なのに気持ちが今一つ掴めなくて、迷ってしまっていた。