箱庭ラビリンス



「私は先に帰って準備してるので、未来さんは音弥くんに案内してもらってください」


「え、あ……」


私がモタモタしている内に話が進んでいる。まるで決定事項のように。何たる強引さだろうか。


「あ!うちの事は気にしなくてもいいですよ。大勢の方が楽しいですし」


「い、いや……」


そうじゃなくて。


「それではまた食卓で会いましょう」


待って。


「……あ」


一言もまともに返せなかった。どうして私はこうなのだろうか。思うだけなら簡単なのに、声に言葉を乗せるのが難しい。


はぁ。と溜め息を吐いた。


「ごめんね。絵美が」


その時、何度目かの謝罪の言葉が聞こえた。