人との切り返しが分からない私は、ワタワタとそれこそ人のいい彼女に慌てるばかり。と。
「だからもっと落ち着き持てって言ってるのに」
そこで聞こえたのは彼の声。
助け船にホッとする。
「音弥く……っ!?いやっ、違うんですよ!?脚立に乗って描いてたらですね、鳥がぶわーーっ!って、で、わきゃあ!ってなったらバシャ!って」
彼女が必死で説明しているのに、彼は溜め息を吐き、私に謝った。
「本当、ごめんね」
「聞いてないです!?」
「聞いたよ。二階からバケツ落としてぶつけなかったのは不幸中の幸いだけど、もっと気を付けるべきだから」
今の説明で全てを理解したのか忠告するかの如く言い、言われた彼女は項垂れる。
仲のいい兄妹に見えるも、違和感が拭えない。



