箱庭ラビリンス



彼女は、絵を描く人なのか。と青い絵の具を思い浮かべる。


どうやったらバケツを落としてしまうのかは分からないが、元気な人だった。


彼とは反対のようにも見えた。なんて事は言えないが……。


「未来……さん?」


「え?」


呼び掛けられ、顔を上げれば今の今まで考え込んでいた人物がそこにいた。


流石に授業が終わっている事には気がついていたが、彼女が居たことには気付かなかった。


「あのっ……!さっきちゃんと謝れてなかったので……ごめんなさい」


謝るどころか制服を綺麗にしてもらえて充分だった。それに、何回か謝ってくれたと思うのだが。


「だ、大丈夫だから。わざわざありがとう」


困りながらも宥めるように言えば、下げていた頭をガバッと勢いよく上げ、「いい人ですね!」と何故か言われる始末。


……どうすれば良いのだろうか。