――
「綺麗に落ちたね」
教室に戻って早々に声を掛けられたので、一度自分の制服を見る。盛大に付着していた青い絵の具は見る影も無くなっていた。
それを見て、私は確認したかのように頷いた。
そして、気になっていた、問いかけられなかった事を今度は彼にゆっくり問う。
「桐谷絵美……という子を、知ってるか?」
「え?あー……うん」
歯切れ悪く肯定の意を示す。苦笑い気味に困った表情。踏み込んでもいいのか悪いのか迷っていると、彼自ら口を開いた。
「ごめんね。妹が迷惑を掛けたみたいで」
自分がした事のように反省の色を見せ、反射的に大丈夫だと首を横に振る。
そうか。やはり妹なのか。と納得した所で休み時間が終わるようでチャイムが鳴った。



