戸惑おうとも動揺しようとも今更仕方がないので腹を括り、コクリと頷いた。
「う、うん。……桐谷くん。あ、こっちは従姉妹の菜穂姉」
なんて、ワタワタと慣れない紹介をしたのだが。
「えーっと……オトコノコだったの、そうなの。そっか」
「?」
首を傾げる彼に納得の言葉を掛けながらも、上から下に視線を投げる。
私も同じように首を傾げざるを得ない。今一彼女の心情が読み取れない。よほど怪しんでいるのだろうか。
「オトコノコ……なのね」
「菜穂姉?っわ!?」
「未来ちゃん!」
いい加減不思議に思って声を掛ければ、グイッと唐突に腕を引かれ、内緒話をするかのように近づいてきた。



