箱庭ラビリンス



場所を陽当たりのいい中庭に変え、私は途切れ途切れにあった事を話した。不思議と気持ちは穏やかだった。


「――それで、今度母さんと食事をする事になったんだ」


締め括るように最後にそれを言う。


まだ、元通りの親子とは行かないけれど時間を作って行こうと思ったんだ。都合がいいと言われても、今回の件で実感した。母親は母親で、母親である前に女であると。


だから、百パーセントでなくとも仕方ないんだ。所詮は私も子供の癇癪だった。私を見て欲しいと。


「バカだな……私は」


苦笑いと共に溢す。自分に向けた物で、自嘲するものだった。


溜まった息を吐こうとするも、思わず飲み込んだ。


頬に触れる手がそこにはあった。