なぎ倒される体の上には重量感。
何?誰?と、ゆっくりと閉ざしていた目を開いた。そして驚く。
「なん、で……?母さん、が?」
唖然としながら起き上がるも母さんは、何も言わずに微笑むだけ。
「なんで?」
もう一度疑問を口にすれば今度は答えが返ってきた。
「未来ちゃんを心配して来たのよ」
返したのは菜穂姉。
「あ……」
「約束。破っちゃ駄目じゃない」
困り果てたように笑いながら私の手を取った。
『教えるけど、一つ約束。私と一緒に行くこと』
「私も先に教えてマズッたとは思ってたけどねー……」
それでも怒っている風ではない。けれど、一言だけ私は謝った。



