箱庭ラビリンス



頭がぐちゃぐちゃに掻き乱される。纏まらない。何だっけ?


「僕としてはお前を追い込めたらそれでいい。――……ああ、訂正するよ。僕は未来を追い込みたかったんだ」


最初から?憂さ晴らしと同様に追い込みたいが為に、弱者で年下である私を連れてあんな事をしていたのか。


「今の未来には何がいい?――そうだな。例えば……この間の男の子とか」


この間の、男の子……?


「っ、止めろ!」


纏まらない考えを隅に追いやり、直ぐ様叫んでいた。声が響いて反響する。


奴はそれに顔をしかめた。


「うるさ……。何?そんなに大事なわけ?」


「黙れ……っ!」


「へぇ……。未来は幸せ絶頂なわけだ。いいね。そこから崩すの」


私を笑い、楽しむ。あの日の生き物を殺す時の表情そのものだった。