箱庭ラビリンス



何でか見える風景が暗い。焦点が定まらない。


自分の軸がぶれたような感覚に陥り、グラリと足元が揺れた。


「……わた、私……僕は……僕は……」


「はっ、今日はやけに強気だなと思ったらこれか。やっぱり変われてない。あの後怯えて僕とは絶対会わなかったもんな」


両肩を抱いて項垂れる。


そうだ。私は決してあの日からコイツに会わなかった。菜穂姉の影に隠れていた。それが一番安全だった。


じゃあ、今は?無防備?


「で?どうする未来?」


どうする?何が?何をどうしたかったんだ?