箱庭ラビリンス



『菜穂姉、アイツと話をしたい。居場所を知らないか?』


『はぁ!?何言ってるの!?……っとと、ごめんね。教えれるわけないわ。未来ちゃんの為にもそれば無理な相談だわ』


私が突然そんな事を言うからか、気が動転しているようだった。だから菜穂姉は私の質問とは少しズレた答えで返したんだと思う。


『教えれない。って事は知ってるんだな』


そこをあざとく突いた。


『……』


菜穂姉は、よっぽど教えたくないのか答えてくれなかった。けれど、私は自分の為に更に押しかけた。


『お願い。お願いだから、私は“僕”をもう終わりにしたい――。教えてくれないか?』


そこで聞いたんだ。あの二人は今でも連絡を取り合っていると。聞いたらきっと分かると。


そもそもの直接的な離婚原因はコイツの悪癖で、夫婦としては良好だった。私が黙っていればそのまま生活は続いた筈だ。


だから、連絡を取っていたとしても何らおかしくないんだ。


なのに。でも。


また裏切られた気持ちになったのは事実だった。