砂塵にまかれ

悲しい太陽

手綱を取る

ルビーの指先は

祈り疲れた紅い太陽



身を滅ぼすと知りながら

焼き付いた

残り香は



暗い月にうなされ

牢獄に眠る人

闇から救えるならば



火の粉を被り

蝋をも纏い照らそう

確かな希望は無くとも

奇跡を想い

見上げれば残酷に

冷えつく太陽

絽の袖に隠れそうな



赤い石は

自滅の乱反射のみ

この瞳に刻んで捧げるしか







《終わり》