もう乗り物は必要無い。 何故かそう思うぼくは、それを乗り捨てる。 左右から襲い来る黒いゴム。 その猛攻を避け、歩み寄った先には……透ける壁。 ぼくは迷う。 そして、少ない知識で辿り着いた結論。 これは異次元への抜け道。 正に、このイメージしか無い。 うろうろと戸惑うぼくを嘲笑い、その壁は赤い目で監視をしている。 すると突然、それは機械音と共に動いた。 勇者の風格を持った女が無言で去る。 壁が消え、ぼくの正面に見た物は。 透明なプラスチックに守られ積まれた、特売のトマト。 《スーパー》