Cutie Blonde*頬に白ホイップ*

* * * * *


12月24日。クリスマスイブ…早朝5時半。


「ひなた、こっち頼む。」

「はいっ!」


スポンジの上に生クリームを塗っていく。
厚さが均等になるように、ムラが出ないように。


「次のスポンジください。」

「はい、真島さん。」


24日の注文が一番多い。
ということは24日のオープン時には大半が出来上がっていないとまずい。


今日、私は倉持さん一番近くでのサポートを任されている。
…24日、夕方までには朝比奈さんのケーキも作らなくちゃ。


「ひなた。」

「はいっ!」

「ああ、こっち見なくていい。作業を続けながら聞け。」

「はいっ。」


私は手元のスポンジに視線を戻した。


「朝比奈の受け取りは夜だったな?」

「はいっ!」

「1時には解放してやる。それまでは俺の下にいろ。」

「分かりました。」

「…よし。」


そしてその後、倉持さんからは指示が飛んでくるだけで、会話らしい会話は出来なかった。…あまりに、忙しすぎて。