ハァ、ハァッ。


やっと着いた…。


携帯を開くと8:55という文字。


何とか間に合ったみたい。


「未来、遅かったじゃなーいっ」


教室に入ると、心配したのか飛び付いてくる麻美。


「ちょっと色々あって…」


「そうなんだ。未来が遅刻しそうになるのって珍しいもんね」


…―キーンコーンカーンコーン


「席着け」


担任のよっちゃんこと良夫(ヨシオ)先生の声を合図にみんながゾロゾロと席に着く。


あたしの席に居た麻美もよっちゃんの言葉を合図に席に着いた。


「今日はみんなに新しい仲間が出来るぞ」


よっちゃんの言葉にみんながざわめく。


「風間、入ってこい」


「…!?」


嘘、でしょ…??


何であのイケメン双子が…。


「キャーッ、カッコいい」


「超イケメンじゃんっ」


みんながさらにざわめく。


「風間蓮人(カザマレント)です。よろしくお願いします」


そう言ってペコリと頭を下げた。


「風間は荻原の隣に座ってくれ」


「はい」


ちょっ、こっちに来る!?


よっちゃん空気読んでよーっ。


「これからよろしくな。後、俺の事蓮人って呼んでいいから」


「…うん、分かった」


何であんな事しといて、こんなに普通なの!?


私の高校生活はお先真っ暗。


―放課後。


あたしと蓮人はあれから特に会話もしなかった。


だって気まずいし、蓮人の周りには噂を聞きつけた女子達でいっぱい何だもん。


さっさと帰ろっと。


「麻美、帰ろ」


「ごめん。今日、陵との約束があるんだ」


「そっか…じゃあ、しょうがないね。デート楽しんできてね」


今日は1人か…寂しいな。


「未来!!」


誰かに呼ばれて振り向くと…そこには蓮人が立っていた。


「先に行くなよな。一緒に帰ろうぜ」


「えっ…うん」


「………」


「………」


「おいっ、何か喋れよ」


「何かっていきなり言われても…」