『(おいおいおいおい。)』
理向あみの行動に見開いた目を向ける俺。彼氏の前でなにしてんだコラ。またキレ出すだろうが。つーかめんどいことになんだろうがふざけんなチビ!
——って、思うけどさ?
普通に胸が当たってるんすけど。こうむにゅっと。すっげーいい感じで。
俺も一応健全な男子高校生なわけで。たとえ浮気性最低女の胸だったとしてもまんざらじゃなかったり。むしろラッキー♪とか思っちゃってるよね。
そうです俺は変態ですよー。だってオトコノコだもん。
「…っ、あみてめえ!!」
「呼び捨てにしないで。ていうか名前呼ばないで。」
「っざけんじゃねぇ!!そいつが浮気相手かよ。」
「…そうだけど?あんたより超かっこいいし、身体の相性もばっちり。自慢の彼氏っ。」
『(…………え?)』
胸にめちゃくちゃ気を持っていかれていた俺はパチクリ。聞き捨てならないセリフに一つ瞬きをする。…なんだって?
「ふざけんなよ…。…なあ、あみ。やっぱ嘘だろ?」
「はあ?嘘なわけないじゃん。もうあんたは飽きたの。セックスも下手だし。」
『(…は?え、ちょ、)』
「でも…、」
「あーもー!こいつがあたしの彼氏!あんたは元カレ!ていうか遊び相手!あんたなんか、」
『——っおい!!なに言ってんだてめえ!!』
もう黙って聞いてるとか無理。怒りは大爆発。ブチッとなにかが切れる音がした。


