え、なに。は?

頬杖をついて下を見ていた俺はミー(me)?自分を指差してきょとんと首を傾げる。

それに理向あみはうんうんと頷き、再度手招きするから何だよ。と考えたけど、まあいっかとすぐに考えるのに飽きた俺は身体を立たせた。



——このとき、気づけばよかったんだ。

なんの接点もなく話したこともない今、この場にたまたま居合わせた俺を手招いた理向あみの策略に。



結構高いなーとか箱の上に立って降り立つ下を見ながら思う俺。まあ余裕ですけど。たん、と蹴り上げたら俺はふわりと宙に飛んだ。

そして、すぐ。

だん、と地に足ついた俺はしゃがみ込んだ身体をよいしょ、と持ち上げ、いきなり降りてきた俺にツガイはビクッとびびり後退り。

はっ。情けねー。

そんなツガイを一瞥して心の中で嘲笑うと、そのままツガイをスルー。理向あみの方へと足を進めた。


『…なんか用。』


見下げるそこには理向あみ。俺のセリフににっこりと笑みを浮かべると、グイッと腕を引かれた俺。

意味がわからなく、なにすんだと声を上げる前に理向あみは引っ張った俺の腕にするりと自分の両腕を絡ませ、身体を寄せてきた。