ピキピキッと俺の怒りのボルテージはさらに上昇。
あーどうしよ、激しくうざい理向あみの所為で血管切れちゃったら。てか切れそう。
血管切れた原因は最低最悪の浮気性小悪魔クッッソバカ女の死ぬほどうざい言動ですとか本当のことだとしてもそんなイタイこと俺言えないどうしよ。
理向あみがどれだけうっぜぇことしてきてもこれ以上怒りのボルテージを上げないように我慢しなきゃ——と、我が身(てか血管)を守るためにそう思い決めた早々に。
理向あみはやらかしてくれちゃう。今決めたことをいとも簡単に破ってしまううっざすぎることをやってくれちゃう。
「…あみの言うこと聞いてくれるんなら返してあげてもいいよ?」
こてん、なんて小首を傾げて、俺を見るブラウンの瞳は上目遣い。
なんとも計算されたその仕草。
血管の心配をしてしまうぐらいイライラしている今の俺でも普通に可愛いと思ってしまうんだから、理向あみはこの作られた仕草だけでいったい何人の男をたぶらかせてきたんだか。
だがしかし。
可愛いと思ってもそこら辺の理向あみに騙されてきたバカ野郎どもと俺を一緒にしないでいただきたい。
お前がたぶらかせてきたバカ野郎どもみたいにころっとやられてやるかっつーの。
間髪入れずに『聞かねー。いいから返せよ。』理向あみが悪知恵を働かせてなにかしら立てているであろう計画を潰してやる。
そしたら理向あみは一瞬でムッと不満たらたらな表情(かお)になって。
「…、」
『あ!てめっ…、』


