§魂呼びの桜§ 【平安編】





それぞれの、まったく違う思惑が交差する目の前で、少将の舞がゆっくりと終わった。




静かな余韻を残してーーー。






中宮はそっと涙を拭いた。


少将が帝の御前に進み出る。




まことにあなたは教養深く、他者の手本となるべき方だ




と帝が仰せになった。




ついては、あなたを右近大将に任ず





また、同世代の公達の羨望の的となられるか。




麗景殿は、帝の覚えめでたい兄を誇りに思うのだった。