§魂呼びの桜§ 【平安編】






お待ちください





わたくしは、ただの女としての幸せさえ受けることができればそれでいいのです





ただ恋しい方と、生を共にできれば、それでよいのです








そう叫んでしまえたなら、女御は正常でいられたかもしれない







けれど声を発することさえ、彼女には許されなかった