やはり、おいでだったのだわ 姫の胸は、歓喜に打ち震えた。 夢にまで見た愛しい人がそこにいる。 月読の姫と呼んでくれた、優しいお方がすぐ近くにいるのだ。 わたくしもここにおりまする…… 声に出せぬ辛さ。 気付いてもらえぬもどかしさ。 それは思いの強さと相まって、姫の心を蝕んでいく。 どうにかして、わたくしがここにいることを知っていただきたいものを…… 姫は隣に座る北の方に、にじり寄った。