丁寧に返信をして、あたしは携帯をカバンにしまった


もう来るという合図が鳴ったからだ


ドキドキしながら、電車を待った


いだ、あたしは祈ることしかできなかった


凪が来ますように、そ―一言だけを


手を合わせて、下をずっと向いていた


ふと耳を傾けていると、女の人や男の人の話し声が聞こえる


電車が出発したあと、あたしは顔を上げた


「―――――っ!!」


あたしの目の前には、あたしが待っていたただ一人の凪が立っていた


「・・・っ」


あたしの眼からは大粒の涙が流れ落ちる


見るだけで精一杯で、言葉なんて出なかった


ドンドン視界が歪んでゆく


涙で目の前が見えなくなった


その瞬間、凪があたしをふわっと抱きしめた


やっと実感した、あたしの目の前にはちゃんと凪がいる


ちゃんと来てくれた