「咲希ちゃ―――ん、御飯よぉ」


やっぱりあたしの朝は園長先生の声で始まる


「今いく――――っ!!」


園長先生の声にあせって勢いよく飛び出した


「園長先生、今日の朝ごはんなぁに?」


あたしの問いにいつも笑顔でかえしてくれる園長先生


あたしが下に降りてくると、ゆうちゃんはいつもくっついてくる


「咲希ねぇちゃんおはよ~」
「おはようゆうちゃん」


にっこり微笑んで、ゆうちゃんと一緒に席に着いた


ゆうちゃんの一つ一つの行動がかわいくて口元が緩んでしまう


「ん~おいしい。園長先生に今度お料理を習わなくちゃ」
「咲希、お料理できないの?」


馬鹿にした笑いであたしを見た舞子に腹を立てた


「なによ。女度低いとか思わないでよね!」


ぷいっとそっぽを向いたあたしを見てもう一度笑った舞子


「女度低いなら、女度高くすればいいのよ」
「女度高くする?!」
「だって咲希、中3になってもメイクしないしさ」


・・・メイク、あたしには無縁のことだと思ってた


「メイクって何するの?」
「えぇ!咲希メイクのやり方も知らないの!?今からあたしが教えてあげる!」


・・・何を教えてくれるの!?