「れ………」

「強くなる為だ」

「え?」

「理由」

「強く………?」


月が輝いている夜空を見上げる。


あそこでは俺に居場所なんてなかったし。




その悔しさ、悲しみとかに


……負けたくねぇから


一人で生きていこうとした。




「蓮は強いよ」

「………」

「自分の弱さを認めて強くなろうとしてる、それは強い証拠だよ」

「…………」




初めてだった。

こんなこと言う奴。




「わかったような口きくな。」


口では冷たいことをいっても表情はいつもより柔らかいのが、自分でわかる。



「蓮」

「…んだよ」

「ありがとう」


そして俺に笑いかけてきた。 


「………」

「どしたの?」


こいつ笑うと………


「なにっ?」

「なんでもねぇよ、ブース」

「な………!?」



お前は気付いてない



お前の見せたその笑顔に

俺が

少しだけ

見惚れてしまったことを