HONEY★HONEY☆LOVER





バタンッ!


ドアを力任せに閉める。



「くそ………」




さっきから“あの女”の声が頭のなかにひびく。





『あなたのせいで人生がめちゃくちゃよ』


『品のない、卑怯なあの女にそっくりだわ』






『あなたなんか生まれてこなければよかったのよ』




黙れ
黙れ
黙れ…っ!





なんで
今頃あんな奴が
でてくんだよ






「………っ!」


汗で体がびっしょりだ。



まだ

こんなにも

俺は

弱い






汗で張りついてくる煩わしさをなくそうと洗面所にいく。


蛇口をひねり水を勢い良くだした




水がたまっていくのをぼんやりと見つめる。




水面に映った俺の顔は



情けないほど青白かった。





「なんなんだよ」



なんで…………







窓の外に映った満月が視界に入った。


いつもは月なんか気にしない俺が何故か引き付けられた。






そしてその満月がよくみえる

あの場所へと足をむけた。