「まだ………言ってなかった言葉が…あるなぁ…って。」
「言ってなかった言葉?」
また小さくなってく光。
髪の隙間からのぞく耳なんか真っ赤だ。
「………るからね」
「は?」
これは嫌がらせなんかじゃなくてまじで聞こえなかった。
「なっ!もっかい言わすのっ?」
「聞こえなかったんだよ」
訝しげにじとーっと俺を見る目は信じてないようだ。
「本当だっつってんじゃん。はいもう一回。」
「……一回だけだからね」
俺を見上げてくる光。
「今までも……
これからも……
あたしは蓮だけを愛してるからね
蓮だけだからねっ!」
そう言って最後に笑ってきた。
「……………」
「蓮?」
俺、光に勝てねぇかも
「ほ……ほんとは!愛してるって言葉じゃ…おさまり切らないぐらいなんだけど…っ」
俺は理性を失いそうなので光を胸に押しつけた。
やっば……顔、熱いし…
「ちょ、蓮、くるし…」
だけど光、知ってるか?
俺、受けだけじゃ終わんねぇの。
耳元で光、と名前を呼ぶとびくりと震える光。
「俺から初めてを沢山貰ったって言ったよな?」
無言で頷かれる。
「今、最高の初めてやるよ。」

