「母さんがこっちに来るし、もうここ継ぐのは避けられねぇと思う」
「……うん」
「それならやっぱり学ばなきゃいけねぇこと沢山あるから。」
「…………」
「ここ、とは完全に切れない」
無意識に俯いた。
ねぇ、蓮。
それは
また
離れるってこと?
「最後まで聞けよ」
「…………っ」
無理矢理、顎を持ち上げられた。
「お前はどうしてほしい?」
「!…そな…のっ言えないよ!」
蓮がぼやける。あ、やっぱ泣いた
「言えよ」
「あたしには…っ蓮を…蓮の将来を…っ邪魔するなんて…やだ!」
「俺の将来も何も気にしなくていい。そうだったら…どうしてほしい?」
ずるいよ
そんなの
決まってるじゃん
「行か……ないで……」
もうあのぽっかりした感じは味わいたくない
あんな淋しくなりたくない
我儘だなんてわかってる
だけど
「もう傍から…離れないで……」
頭を蓮の胸にもたれさせる。
「ん、行かねぇ」

