あっという間にお義母さんの部屋に到着してしまった。



「……この向こうに…」




お義母さんがいるんだね、



蓮を見ると蓮もあたしを見ていた



こくりとあたしが頷くと、蓮はまた頭を撫でてくれた。


「ばかり、殴る時は言えよ?」


じっくりと拝みたいからな、とにやりと笑う蓮の背後に悪魔がいるように感じたよ……



「な…殴るときは5分前申告させていただきます…っ!」


あたしの中ではなるべく殴らないようにします!



「あのね、れ……っ」

ガチャンッ!



ドアが勢い良く開く。



ええええっ!?まだ心の準備が!



部屋の中央の大きな机に気難しい顔をした女性がいた。


黒髪を結いあげていて、唇を軽蔑するように歪めてこちらを見ていた。




「……蓮、ノックをしなさいと何回言ったらわかるの」




冷ややかな無機質の声。




それと同時に蓮の表情も冷たくなっていった。




「…うるせぇな」

「そしてそちらの方は誰?ここは貴女のような小娘が来るような場所ではないのよ」



……いきなり毒吐かれたよー…。




「私は高崎ひか…」

「てめぇに何でこいつが名乗らなきゃなんねぇんだよ」




………何この空気!!