どのぐらい時間が経ったのかな、



蓮はずっと黙ってて


だからあたしも黙ってた。


聞こえるのは時計の秒針の音だけ




まだ、嘘みたいだなぁ…


今……目の前にいるのが蓮だなんて、ね。



会いたくて
会いたくて
たまらなかった日々の辛さが
全部吹き飛んじゃったよ。



それぐらいおっきかったんだ。


蓮とまた会えた、ってことは。







「……なに、にやけてんだよ」

「っうぇい!?」

「は?」



いつのまにか蓮はあたしの腕の中から消えていた。



サッキノ可愛イサハ何処ヘ?



「にやにや、キモすぎ。」

「キモいって………っ!」


なんなんだーっ!



渾身の力をこめて睨んだ。


次の瞬間だった。



「サンキュな、」


と言いながら、ふわりと笑った。



今までで一番優しくて一番柔かい笑顔だった。



「………っ!もう一回っ」


さっきの苛立ちを忘れ、顔はもう別の意味で真っ赤になってる。




「うっせ、ばーか。行くぞ」



れ…蓮の笑顔には殺傷能力があるよ……っ!