しばらく沈黙が続いた。



先に俺が口を開く。



「お前、アメリカいたんじゃねぇの?」

「…いってきたよ」



気のせいか光の俺を掴む力が強くなった。




「海達は?」

「今…準備してる……。」



準備?



「……お義母さんのとこ連れてって。」

「は?」

「言いたいこと沢山あるのっ!」



勢い良く顔をあげて、力強い目で俺を見る。



「……光、」

「信じて?蓮。あたし達が帰ってきた理由…わかるでしょ?」



さっきから同じことが頭のなかを回ってた。



光達が帰ってきたこと。




それが何を意味するか、ってこと




「…見…つけたのか…」



途切れ途切れになる自分の声が嫌に思えた。




なんで今更、恐怖なんか……。



「会ったとき、涙がでちゃった」



困ったように笑う光を凝視した。



「やっと見つかった…ってこともあったけど何より…蓮にそっくりだったの。」


仕草も表情も全部全部、と光が呟く。




「…ほんとに俺の母親なのか?」

「だからーっ、信じてってばっ!ちゃんと証拠もあるんだよ?」

「…………証拠?」



光がすっ、と俺の耳を指差す。



「ピアス。」